2012年10月16日火曜日

避けるべき食べ物 3 悪い油 その2


今回はトランス脂肪酸のことについて書きます。

トランス脂肪酸は自然の油にも少量は含まれていますが、ここで取り上げているのは加工された植物油のなかに発生する人工的に作られたもののことです。一番よくわかる例はマーガリンやショートニングですね。これらの油はもともと植物油から出来ています。原材料となる植物油(常温で液体のもの)は植物の種を高い圧力、高温、人体に有毒な溶剤をつかって搾り出し、水素加工することによって科学的に固体にしたものです。大変臭いが悪いため、脱臭をし、色も灰色で食欲をそそるようなものではないため、ブリーチをかけて白くします。そこで出来上がったのがいわゆるショートニングです。それに色と味を付けたのがマーガリンです。作られる過程を知れば決して食べたいは思わないはずです。

何故そんなことをするかというと、原材料になる植物油は非常に安価であるということと、自然の油のように酸化しにくい(なかなか腐らない)という特徴があるため、加工食品にはもってこいなわけです。それをそこそこの値段で売るわけですから、企業にとっては利益が大きいのです。

前回の記事で述べたように、キーズ学者の間違った仮説により植物油だから、コレステロールが入っていないし、体にいい、と一般に考えられていますが、それは大きな間違いで、まさに百害あって一利なしとはこのことでしょう。

トランス脂肪酸が体によくないというのは、いまアメリカでは常識、私の住んでいるニューヨーク州ではレストランでのトランス脂肪酸の使用は禁止になっています。


トランス脂肪酸のいったい何がそんなに悪い???

われわれの体には約60兆個の細胞があるといわれていますが、それぞれの細胞には細胞膜があり、その細胞膜は脂質で形成されています。細胞膜は細胞間のコミュニケーションにおいて大変重要な役割を担っています。その細胞膜が人工的に作られた粗悪な物質で作られることによってありとあらゆる問題が発生します。いくつか例を挙げれば・・・

動脈硬化引き起こす。
悪玉コレステロールの増加
善玉コレステロールの減少

そのほか消化の過程において、トランス脂肪酸はアミノ酸の吸収を妨げます。
タンパク質が分解された状態がアミノ酸なわけですが、体の大半はアミノ酸を原材料としたタンパク質から出来ています。ですから、アミノ酸が吸収できなくなるということは、新しい細胞や組織を作ることが困難になるということです。どう考えても体にいいわけはありません。






上の図にあるように、左がCISという形で、常温で液体の植物油は水素(H)が二つとも同じサイドにいますが、TRANSは水素がお互いに違うサイドにいます。加工の過程で、水素の位置をCISからTRANSに変えられた油をトランス脂肪酸と呼ぶのです。自然に存在するトランス脂肪酸もあるのですが、体に害があるのは人工的に作ったもののみです。

CIS はUの字に曲がっているのに対し、TRANSはまっすぐであるのに気付くと思います。まっすぐな形の性質上隙間なく積み上げることができるので、常温で固体の形をとることができるのです。だからマーガリンはもともと常温で液状の植物油が固体になることができるのです。

問題は、人為的に変えられた部分を持つトランス脂肪酸は、いわば奇形であり、私たちの体を作るうえでは欠陥材料なのです。欠陥材料で作られた体は、当然欠陥が出てくるということなのです。

上で述べたように、日持ちをよくする特徴があるため、トランス脂肪酸はあらゆる加工食品に含まれています。パンやクッキーなどに含まれるショートニングもトランスファットですね。さくさくとした食感はトランス脂肪酸のおかげです。ちょっと悲しいけれど、ほどほどにしないとだめですね。

いまトランス脂肪酸が体に悪いということが一般に知られるようになったため、トランス脂肪酸をほとんど含まない加工食品が出始めています(アメリカではもうそれが主流になりつつあります)。
しかし、それに変わり、INTERESTERIFIED OILというものが使われています。このINTERESTERIFIED OILはトランス脂肪酸ではありませんが、人工的に操作された加工オイルに代わりはありません。まだ、その油の人体に及ぼす影響は明確になってはいませんが、恐らく、トランス脂肪酸と同じくらい、もしくはそれ以上に悪いのではないかと推測されています。

トランス脂肪酸が発明されてから100年以上経ちます。トランス脂肪酸が悪いとわかってから、一般的に認識が高まり、消費量が減少するまでに何十年もかかりました。企業自体はトランス脂肪酸が悪いことなどずっと前から知っていたはずです。ですが、世間が無知で、その商品によって利益がでるかぎり、売り続けるのです。悲しいかな・・・

INTERESTERIFIED OILが認識されマーケットからなくなるまでには、また長い年月がかかるのではないでしょうか。同じ失敗を繰り返さないことを願うだけです。


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