2013年1月22日火曜日

健康診断では正常、でも調子が悪い、なぜ


Hさんは48歳のキャリアウーマンで。毎日地下鉄でブルックリンの自宅からからマンハッタンの保険会社に通勤しています。最近はどうも体の調子がイマイチで、血圧も高め、体重は増え気味で、風邪も一年中何度も繰り返し。最近の一番の悩みは、咳が止まらないこと。市販の風邪薬を飲んでも止まらないし、病院に行っても咳止めをもらってきたけれども、一向に良くなり兆しがありません。何か他に原因があるのではないかと、色々な科を周り、ありとあらゆる検査を行ったけれども何も見つかりませんでした。挙句の果てには、ステロイド剤を処方され、一時的に軽減はしたものの、飲むのを止めるとまたすぐに咳が出始めるのでした。

このケースでは、Hさんもこれまでかかったお医者様も、何か一つの明らかな原因(肺炎や何らかの感染症)があるに違いないと思い込んで、ありとあらゆる検査をすることによって、病気探しをしていたわけです。明らかな原因が見つからないため、原因はさておき、とりあえず咳という症状を止めることに必死になっています。

現代医療の典型的な落とし穴がここにあるのです。

血液検査、心電図、MRIなどを行なっても、全く異常が見つからないのに、体のいたるところに不調を感じている人が非常に多いですね。 「検査結果がすべて異常なしであれば、病気じゃないってことでしょ、でも何故こんなに体の調子が悪いの?!」というのが、医者にとっても、患者にとってもしっくりこないとこではないでしょうか。西洋医学的には、診断がなければ治療も存在しないわけですから、明らかな症状があっても、検査結果がネガティブな場合は、症状をもみ消す、イタチの追いかけっこが始まるわけです。このような”治療”は根本原因を解決するどころか、かえって問題を深刻化させることが多々あります。

まず、私達が気づかなくてはいけないのが、病気でなければ健康という方程式は全く成り立たないということです。また、症状がないということが健康というわけでもありません。むしろ、症状があることは体の正常な反応であり、極端なことを言えば、糖尿病も心臓病も一部の例外を除いては、体の正常な反応の結果なのです。

私達にとって都合の良くないもの(痛みや、不快感などの症状)は悪で、そうでないものは善であると解釈するのがそもそもの間違いなのです。症状とは体内外の環境が変化していることを私たちの意識に知らせてくれるメッセンジャーです。 届けられたメッセージの意味を的確に理解し、症状をもみ消すのではなく、正しく対応していくことはとても重要なことです。

生命維持の上で、体が基準にしている尺度は、我々がわずらわしいと感じる症状有無では決してありません。体が従う基本尺度は、恒常性と言われるものです。 恒常性とは簡単に言えば体内のバランス維持機能とでもいえるでしょう。体中で起きている数えきれないほどの生理的機能を調和を持って維持しなくてはいけません。恒常性機能が余裕を持って維持できる状態が真の健康なのです。逆に、病気とは恒常性維持がすみやかに行なえなくなった状態のことであり、決して症状の有無ではないのです。

例えば、熱。 一般的には熱が出れば、解熱剤を飲むわけですが。熱が出ることにはもちろん理由があるわけで、熱を薬で下げることが体にとって最善のことなのでしょうか?体が熱を上げる理由は、多くの場合、新陳代謝を上げ、白血球の働きを活発にし、ウィルスやバクテリアが繁殖しにくい状態にするために起こります。熱があれば体はだるくなり、食欲はなくなり、横になって休みたくなりますよね。しかし、多くの場合は、薬で熱を下げ、元気になったと勘違いし、普段どうりの生活を続行するため、かえって風邪が長引く事に繋がります。 症状が消えることが治ることではないのです。

糖尿病や心臓病といった生活習慣病はどうでしょうか、これらの病気は、ある日突然なるわけではありません。
日頃の生活習慣の積み重ねによって、徐々になるわけです。通常の検査で引っかかるまでには何年もの年月がかかります。しかし、そこに至るまでには、体はありとあらゆる危険信号を出しています。それらの信号は疲れ、だるさ、不眠、筋肉のこりなどといった、健康診断では全く測れないものばかりです。だからといって軽視してはいけませんし、ましてや、それらの症状をもみ消すようなことをしはいけないのです。それはまるで目隠しをして道を横断するようなものです。

も一度言います。危険信号(症状)はもみ消してはいけません。これらは私達に生活習慣の軌道修正を起こさせるための助言なのです。

Hさんのケースは、病気探しでは解決しませんでした。視点を変えて、病気探しではなく、どれぐらい健康かを調べる、言い換えれば、どれだけHさんが恒常性を効率良く維持できているかを調べることによって
色々なことが見えてきました。 その結果、腎臓と消化の機能の弱さ(病気ではないが、機能効率が落ちている状態)がわかりました。 その後、腎臓と消化の機能を酵素とハーブでサポートし、食生活と姿勢を改善した結果、咳は止まり、血圧は正常化、疲れやすさはなくなり、体重も8キロ減りました。そして慢性の腰痛も半減しました。 最近では。周りの人に輝いて見えると言われるそうです。

原因は一つではありませんでした。 生活習慣の中で見直す点がいくつもありましたが、病気探しの検査で見つかるような問題は一つもなかったのです。たとえ、感染症などの単一的な原因が見つかっていたとしても、それが根本の原因ではないのです。感染症を引き起こすのはウィルスやバクテリアだけが悪いのではありません、むしろ感染症に陥る状況を作った本人の免疫力低下が本当の原因であり、これは恒常性維持がスムーズに行えないがために起きてくる結果なのです。
(今日もぽちっと、お願いします)
  にほんブログ村 健康ブログ 代替療法へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿