2013年8月24日土曜日

消化 - 見逃されている根本的な問題

ある40代の男性が物を運ぶ作業中、ぎっくり腰のような感じで、腰が急に痛くなりました。その日は我慢をして、何とか仕事を終えました。次の朝、腰の痛みはひどくなっていて、朝から首を寝違えたような感じにもなっていました。痛みを我慢しながら、仕事に出かけていきましたが、午前中に首の痛みが耐え難いほど辛くなったため、早退をし、その日の午後に診療に来られました。

話をくわしく伺うと、胃腸の調子はいつも悪く、胸焼けがひどいため、病院で胃酸を押さえる薬を処方されて一ヶ月ほど飲んでいました。首を寝違えることはしょっちゅうで、腰の痛みは慢性的なものだそうです。

また、数週間前に虫に足を刺され、足がはれ上がってしまったため、病院に行ったところ、抗生物質を処方されて飲んでおられました。

胃腸の弱さ、胸焼け、慢性の腰痛、首の寝違え、虫刺されで足がはれ上がるなどの、一見、関係のない複数の問題のように見えますが、これらの問題は全て繋がっています。

慢性の胃腸の弱さは万病の根源です。食べたものがしっかりと消化、吸収されていなければ、新しい細胞や組織又は臓器を健全に保つことができません。胃腸の機能が落ちている状態が長く続けば、体が弱ってくるのは当たり前のことです。

胃腸の調子が悪く、胸焼けや胃痛がある場合、病院にいけば、間違いなく胃酸を抑制する薬が処方されます。

この行為は、もともと弱っている胃腸の働きを、さらに低下させることになります。
(このことに関しては、この記事を是非読んでください)。

症状的に、胸焼けや胃痛は一時的には改善されたかの様に見えますが、実際は消化機能低下という大変大きな代償を払っているのです。

胃酸を押さえてしまうことの弊害は挙げればきりがありませんが、この男性の場合は、正常な筋肉の働きに必要なもろもろのミネラルが、胃酸が欠落することによってまともに吸収されず、完全にバランスを失った状態なのです。(夜中に足がつることの原因のひとつです)。

抗生物質を乱用することも、腸内バクテリアのバランスを崩してしまいますので、更に消化、吸収の働きを低下させます。

慢性的に胃腸が悪く、体への栄養補給があまりよくないことが原因で、普段から腰痛や、頻繁に起こる寝違え、免疫力低下(今回、虫に刺されて腫れ上がったのもこれが原因と推測します)などが起きているのです。そこで更に、胃酸を押さえて、抗生物質を体に入れれば、更に体の調子がおかしくなることは当たり前です。

私達の体は、食べたもので出来ていますし。食べ物に含まれるエネルギーをつくり、痛んだところを修復し、常に新しい細胞を作り、老廃物を同時に排泄しています。この生命の営みの基本になるのが、食事です。

食べたものがいかに速やかに消化、吸収され、老廃物を体に溜めずに排泄できるかどうかが、健康維持に関して言えば、これより大切なことはないでしょう。

しかし残念なことに、現代医学では、病名を付けることと、症状を追いかけることに気をとられ、生命の営みの根本を見つめることを忘れているのです。


このケースから学べることは、胃腸機能低下が原因で起きている問題が、いかに見過ごされているかということ。また、個々の症状だけを見て、それに対する一時的な対症療法を繰り返すことは、まさに”木を見て森を見ず”ではないでしょうか。

このケースがどのようになっていくかは、今度また書きます。

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